冬亭夢裏の閑居宮

世界征服の道、いまだ半ば

固定ローラーでフレームは折れるのか、をお気楽に調べる


 定期的に出てくる話題、「固定ローラーでフレームが折れる」だが、実際に身の回りで折れた人はいない。また折れないまでもダメージがあると説く人もいればそれを否定する人もいる。実際どうなのか調べようと思ったが、いまの時代、実際に折れていれば、ネットのどこかに事実として転がっているはず。であるならば、適切な文言で検索すればヒットすると考えたので文言の候補を考えた。それが以下の3つだ。

1.「固定ローラー 折れる」
2.「固定ローラー 折れた」
3.「固定ローラー 破損」

 まず、「固定ローラー」は必須。それに状況をしめす「折れる」、「折れた」、「破損」を加える。カーボンを加えることも考えたが、軽量アルミの時代から固定ローラーによるダメージについては語られていたので「カーボン」はあえて入れていない。なお、「ポッキリ」もちょっとだけ考えたが、ネタにしかならないので今回はやめておいた。

 上記の3パターンについてそれぞれ上位30件の検索結果のサイトを確認した。必要に応じて各サイトのリンク先まで見ているものもある。なお、結構な数の重複や関係のないものがヒットすることもあったので、実際に検証した検索結果は50件に満たなかった。
 余談だが、関係ない検索結果には、ミニ4駆やオフセット印刷技術、ハーレクイン文庫(恋愛小説ってことだ)の「プリンスは独裁者?」。(おそらく)官能小説の「美人社長 肉虐の檻」など、さまざまな興味を引く検索結果が含まれていたことを記録しておこう。
 本題に戻るが、検索結果の中に破損した事実の記載や画像を収めたものは存在しなかった。その多くが「折れることがあると聞いた」、「ダメージがあるらしい」と言った伝聞を記載しているにすぎないものだった。しかしながら注意をひくものもいくつかはあったのでいくつか紹介しておこう。



ブログ主が竹谷賢二氏のロードバイク講習に参加した際、固定ローラーでフレームにダメージがあるか質問したところ、「程度は一概に言えないがある。割れるまではある」との回答を得ている。

Yahoo!知恵袋の質問だが、ローラー固定部分(リアエンド)の破損の実物を見たとの回答がある。ただし、車体を激しく左右に振るような動きをした場合にのみ発生するとのこと

ブログ主のアルミフレームが実走中にトップチューブシートチューブの溶接箇所から破断。固定ローラー使用中の姿勢が原因では…と推測している。

フレームが傷む(と思われる)理由を簡潔に記述しています。前記のYahoo!知恵袋を保管する内容的な面があります。なお、疑問への回答が素晴らしい。

ブログ主のLOOKのカーボンリアエンドが痩せる現象が取り上げられています(写真あり)。固定ローラーでHIITをする際にからだを左右に激しく振っていたのが原因ではと推測している。



 ここから先は僕の想像になるのだが、普段の実走時に見ることや意識することはないが、固定ローラーをしているときにはBB部分の左右の動きを実際に確認することができることと、「都市伝説的に」語られる固定ローラーによるフレーム破損とが結びついて、「固定ローラーでフレームが折れる」と語られ続けているのではないだろうか。
 また、この都市伝説的なものを補強するものもある。それがこの2つだ。

固定ローラーによる破損はフレームの保証規定の対象外とされる
 事実確認はできなかったが、そのように記載しているサイトで具体的なメーカー名の記載があるものはなかった。

不適切な使用による破損
 上記のYahoo!知恵袋サガミサイクルの記載に、車体を大きく左右に振るような動きをした場合に破損する可能性があるとある。また固定ローラー使用時に付属の鉄製のクイックを使用しない(リアエンドの固定部分が直接フレームに触れる可能性がある)など、不適切なセッティングも破損を招く可能性はあるだろう。つまり逆説的に言えば「折ろうと思えば固定ローラーでフレームは折れる」ということもできるのではないか。



 そろそろ結論を書こう。つまりこれだ

 「適切に使用している限り、固定ローラーでフレームは折れない。ただし、折ろうと思えば折れる」
 
 これまでの記述に加えると、日本だけでなく製造者責任の強い海外においても固定ローラーがいまだ販売され続けていることが致命的な(=製造者責任となるような)破損を固定ローラーが引き起こすことはないという説明になるだろう。なお、どうやれば折ることができるかも考えてみたが、90年代前半のプロ選手、アブドジャパロフのスプリントを固定ローラーで再現すれば、鍛え方次第ではフレームを折ることができると思うので誰か実践してほしい。報告を待つ。



 なお、ここまでの記述を端的にまとめているサイトがある。


 このサイトを読めばここまでの僕の記事など読まなくてもよいし、そもそもフレームが折れる心配する暇があったら練習しろ。