冬亭夢裏の閑居宮

世界征服の道、いまだ半ば

鎖骨骨折の記録-その1:骨折当日


 鎖骨骨折の記録です。一定のめどがつくまで、キリごとに書いていこうと思います。
 facebookとちがい不特定多数が閲覧可能なので関係者のお名前は原則として伏せて記載しています。



 6月17日(土)。前日facebookで呼びかけした有志練の集合場所へ向かうため、5時40分に自宅を出発。途中、旭川大橋東側の自転車道で倒れている風のおじさんを見かけたため、自転車を止め様子を見に行ったところ、気持ちよさそうに寝ているようにしか見えない。またそのおじさんのものと思える自転車もちゃんとスタンドを立てて止めている。たまたま通りかかった散歩のおじさん曰く「初めて見ると吃驚するじゃろ。時々寝取るんよ」とのことだったので、そのまま声をかけず集合場所へ。

 久々の土曜有志練の参加者は僕を含めて5人。今日は僕が呼びかけたので、コースを飽浦ローソン~貝殻山(金甲山側)~東児サークルK~外周~飽浦ローソンと決めて午前6時に出発。ローソンを過ぎて間もなく僕ともう一人が先行し、そのまま貝殻山へ左折。斜度が上がってペースが落ちた際に聞いてみると貝殻山は初めてとのことだったので、ゴール地点を伝えて、「好きに走って~」と言うとそのままビュ~ン。決して調子が悪いわけではないけど絶好調でもないので淡々と登り続け、ローソンから18分47秒で貝殻山駐車場到着。
 集合を待って登ってきた道を下ります。後続が初めてこの道を下る人なのと、そもそも斜度がきつく、タイトコーナーもあり、また山側に小石などが落ちていることも多いので、スピードは抑え目で、コーナー手前できっちり減速してからコーナーに進入するように気を付けて走ります。そんななか2連ヘアピンの1つ目をクリアして2つ目への進入体制を取ったところで「パンッ」という音とともにフロントタイヤがパンク。ほぼ一瞬で空気が失われ、立て直してコーナー直進して止まろうとしたものの、持ちこたえられずバランスを崩して左側へ転倒しました。パンクから落車まではほんの数秒だったと思います。恐らく無意識に頭をかばったのか左肩後側が最初に着地、次に頭が地面に接したのではないかと思われます。肩が地面に接した時に骨が折れるグシャっという音がしっかり聞こえました。
以下、直後を走っていた方の目撃談です。

グレーチングのあたりで、カン!と金属音。
数秒後にバイクのコントロールを失うも、バイクのバランスを取りながら、じんわり止まろうと数秒間トライしたものの上手くいかない。コーナーが近づいてくる。意を決して、体を低くして、バイクを横倒しして横向きにバイクから脱出。地面に叩きつけられる感じはなく、低い位置からきれいに転がった感じでした。一歩間違えれば前転して顔から落下しかねないシチュエーションで、ベストな回避行動だったと思います。

イメージ 1
(赤丸が落車場所)

イメージ 2
(落車時のSTRAVAログ)

 後からガーミンのログで確認したところ、落車時のスピードは26km。ロードバイクのフレームに大きな傷が見られなかったとこから推測すると前転などなかったと推測されます。意識が落車直後からしっかりしていたのでとりあえず姿勢ををあお向けにして、寝転がったままで動かせる右手で左肩を触ったところ、明らかに折れているような変形が認められましたが出血は認められず、他には擦過傷と思われる痛みはあるものの、両足も動かすことができました。自分のチェックで体の異常が確認できたので安心したのか、「自転車は大丈夫ですか?」と一番に聞いた記憶がはっきりあります…。また横になっている間に、同行の方が一人が自宅から回収の車を出す段取りを進めていてくれていました。
 5分ほど地面に横たわっていたのち、同行の人たちに体を起こしてもらい、とりあえず座ります。ポケットから携帯電話を取り出し、嫁さんの携帯電話へ電話します。しばらく鳴らしても応答がなかったので、次に固定電話へ電話したところ応答があったので、状況と怪我の具合、救急車は呼ばず、回収車で帰る旨を伝え、朝の子供の病院の段取りを実家に手伝ってもらうようになどこまごまとした話をしました。状況がしっかり伝えられたのと、同行者が嫁さんも知っている人たちだったからか、体の具合について聞き返されることはなく、自転車の状況の方を心配していました。
 さらに5分ほど座っていたのちに立ち上がります(日陰だったので寒かったのです)。落車直前の前輪の瞬間的なパンクですが、今回はタイヤ、チューブともに200キロも使っていないほぼ新品状態だったのと、落車直前の「パンッ」という音が気になったので、記憶にあるコースを歩いて逆走するとコーナー中間点のグレーチング横(ほぼ道路中央)に気になるものを見つけました。

イメージ 3

 写真の白丸の部分に道路を横断する側溝があるのですが、その付属金属枠に隙間がある部分があり、ちょうどそれが走行ラインにかかっているのではないかと思われました。また、パンクした前輪を確認するとタイヤサイドにチューブが露出するくらいの穴が見つかり、あくまで状況からの推測ですが、パンクの原因はこの金属枠の隙間ではないかと思われました。

イメージ 4
(白丸部分をに金属枠の隙間あり)

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(赤丸が貝殻山方向、白丸が金甲山方向)

 原因が分かったとしてもいまさらどうするわけにもいかず、また回収車の到着までできることも他にないので、自転車のチェックをしますが、一見したところフレームやコンポには大きな傷は見当たらず、フロントのチェーンがインナー側に落ちている程度でした。ホイール関係ではフロントタイヤがサイドカットで使用不能になっているほか、空気が抜けきった状態で走ったため、リムの上面(タイヤとの境界部分)に何か所か傷が入っていましたが、使用不可というほどではありませんでした。なおヘルメットは左側後ろに衝撃を受けた後が認められた(後日、裏面に亀裂も発見)ので、これも今後は使用不可です。
 ちなみに当日の機材は下記でした。

フレーム:ANCHOR RS9
ホイール:マビック キリシウムプロSL
タイヤ:マビック イクシオンプロ(ビットリア ラテックスチューブ使用)

 そうこうするうちに回収車が到着、自転車も積んでもらい、自宅まで送ってもらいました。



 着替えと肩の傷口の保護を済ませて、8時30分過ぎに家から近く、また整形外科では定評のある旭東病院を受診しました。救急とかではなく一般枠での受診です。
 9時の診察開始から30分ほどたって診察室に呼ばれます。上着を脱いで先生に見せると「あ、折れてるね」。もう確定です。肩以外で痛いところを聞かれたので左手首と、左わき腹ですと伝えると、レントゲンとCTの撮影指示が出ました。ちょっとした行き違いがあり、撮影が完了したのは11時前くらいだったでしょうか。左腕が不自由なため、着替えに手間取っていたら技師さんたちが手伝ってくれたのは大変助かりました。
 撮影を終了し、また待合室で待ちます。もう落車から4時間ほど過ぎて、かなり痛みが出てきてしんどい状態です。それほど待つことなく再び診察室に呼ばれて入るとレントゲン画像とCT画像を示され、骨折箇所と状態を教えてもらいました。

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(CT画像)
 鎖骨については中央より外側の箇所で折れており、かなりずれている状態でした。また単純に2つに折れているだけではなく、折れた部分にいくつかの骨片がある状態でした(診断名は左鎖骨粉砕骨折)。また、肋骨についても2、3番の骨折が確認されたほか、痛みの状態からほかにも数本折れている可能性があるとのことでした。幸いにも気胸の兆候は確認されませんでした。なお、上のCT画像を取る際に「鎖骨骨折のレントゲン画像を公開するのは鎖骨を折った自転車乗りの決まりなんです」と先生に断って撮影しております。
 骨折の状態から保存治療は望めず、手術によりプレートもしくはワイヤーを用いて鎖骨を接合する必要があるとの診断でしたので、引き続き入院前検査を行うことになり、血液検査、心電図測定などを行い、再度待合室で
待っていると先ほどまでとは違う診察室に呼ばれます。入ってみると、手術の執刀担当の先生が待っていました。画像処理されたCTを見てほぼプレート固定となること、一般的な術後の経過の話を聞いた後、手術日の話となりました。最初に提示されたのは19日(月)朝に入院、午後手術でしたが、仕事は問題ないかと聞いてくれたので、(問題ありありなので)入院を1日遅らせて、20日(火)午後入院、21日(水)朝から手術の予定となりました(述語順調であれば手術日含め3泊4日で退院)。その後、他に痛いところはと質問されてやっと肩の擦過傷のことを切り出すことができ、悲鳴を上げながら消毒などの手当てをしてもらいました。なお、スピードがあまり速くなかったせいか湿潤治療が必要な傷は肩とひじだけで、腰、ひざ、手の傷は擦り傷程度でした。治療後、必要書類を記載、痛みどめなどの薬をもらって昼前にやっと帰宅となりました。なお、この日の支払いは18000円弱でした。



 帰宅後、実家(隣ですが)へのあいさつや細々とした片付け、会社の上司への報告を済ませると特にやることもなくなったのですが、何かしていないと痛みも気もまぎれないので、facebookに事故の報告を投稿。ついでにfacebookのタイムラインをチェックしていると貝殻山に登っている人がいることを発見。万一にも自分と同じ目にあうことがあってはいけないので、道路の不具合を管理しているところに報告しようとおもい、まずは道路種別を調べてみました。結果、県道463号ということが分かったので県庁の担当部局をしらべたのですが、はっきりわからない。それでも調べているうちに土木部の道路整備課が業務内容に「道路の維持補修」を挙げていたので、問い合わせのフォームから該当箇所(県道399号の分岐からの距離)と不具合内容、さらに怪我をして入院することを書き添えて連絡しました。
 なお、岡山市内の県道については維持管理は岡山市が行っており、今回の場合、南区内だったので、実際の維持管理担当は岡山市南区役所地域整備課でした。このことについては19日(月)に県の道路整備課から電話で連絡があり、南区役所地域整備課にメールで内容を伝えるとのことでした。後日、南区役所地域整備課から該当箇所の補修についてメールで連絡をもらいました。
 なお、県の担当部局も私が連絡を入れた道路整備課ではなく維持管理については各県民局(今回の場合、備前県民局)の建設部が実際は担当しているようです。
 正直、わかりにくいので県道であれば県の各県民局建設部、市道であれば各市の担当部局(岡山市の場合各区役所地域整備課)。国道であれば各国道事務所でいいと思います。今回の件のように、必要に応じて横の連携は行っている模様です。

 食欲もあったので夕食も普通どおりに食べましたが、なんとか事故を避ける方法はなかったのか、また自分に大きなミスはなかったのか、本当に道路の不具合(金属板の隙間)が原因なのか悶々としたまま一日が終わりました。